コロナ禍に近所の落書きに元気づけられた話。英語の多彩さ。

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Chalk

アメリカ人は大人も子供もチョークが大好きです。Walmartなどへ行くと、一生分くらいのチョークがまとめて売っています。子供が、ストリートアーティスト顔負けのダイナミックな絵を、家の前や近所の公園に書いていきます。BLM運動が盛んな時期は、BLMにもっと参加しよう!という感じの書き込みがたくさん見られました。たまに、メッセージに返信があることも(笑)

そして時に私は、落書きから、元気や希望をもらいました。上の詩は、2020年5月ぐらいに家の近所に書かれていました。2020年5月のニューイングランド地方は、コロナ陽性者がようやく減りはじめてきた時期です。しかし、終わりの見えない行動制限家の外に出れるのは散歩だけ、という生活に私はだんだん疲れていたと思います。同僚とのコミュニケーションもZOOMがメインとなり、ちょっとした世間話もできず、英語でのコミュニケーションの壁を渡米してから最も感じていました。そんな折に、上の詩を見つけました。

最初はなんと書いてあるのか分かりませんでした。ただ、何となく元気づけられた気がしました。家に帰って調べてみるとEmily Dickinsonさんというアメリカで著名な詩人の詩の一部だと分かりました。下にその全文を載せておきます。ここではこの詩の内容については言及しませんが、みなさん、後で読んでみて下さい。私はこの詩を読むことで非常に元気づけられました。そして何よりも、この詩を調べていく過程で、英語の詩の文化とその表現の多彩さに驚かされ、英語をもっと勉強したいという気持ちになりました。

私はそれまで、ビジネス英語や日常会話しか学んでいませんでした。そして心の何処かで、英語の表現は単純な物の組み合わせで何処か日本語より味気ないなーという、感情を持っていたように思います。しかし、英語の詩をたくさん調べて読んでいくと、これまで見たこと無いような英単語による詩や、簡単な言葉を積み重ねなのに、とても心に響く美しい詩をたくさん知ることができました。それらは、私が学んできたような事実や状況を平坦に伝えるような英語ではありませんでした。その人の感情や考えを、時に厳しく時に優しく伝える、そんな英語でした。そして、simile, rhyme scheme, といった詩に関連した単語を知ることで、詩を言葉で説明したり理解することが少しできるようになると、急に私の世界が広がった気がしました。

言葉とは何かを考えるためには必要不可欠な物です。私たちは語る言葉を持たなければ、何かを深く考えたり、相手と深くコミュニケーションを取ることはできません。私は、海外でそこそこ働けている自分に何処か満足して、英語でのコミュニケーションの研鑚を怠っていたなと、浅はかだったなと、この出来事を通じて知ることができました。私はそれから、自分の仕事や興味に関連した英語だけでなく、積極的に色んな分野のニュースや掲示板に目を通してみています。みなさんも、時には自分の興味の外をあえて学んでみると意外な発見があるかもしれませんよ。是非お試しください。

長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

“Hope” is the thing with feathers -
That perches in the soul -
And sings the tune without the words -
And never stops - at all -
 
And sweetest - in the Gale - is heard -
And sore must be the storm -
That could abash the little Bird
That kept so many warm -
 
I’ve heard it in the chillest land -
And on the strangest Sea -
Yet - never - in Extremity,
It asked a crumb - of me.